9月2日 (金)
昨日は値上げについて書きました。
現在も材料費は円安、原油高、資源高、様々な影響を受けて上昇中です。お客様にはご無理をお願いして値上げをさせていただいております。
しかし、現状では材料費や、エネルギー費、生産に関わる直接人件費などに限定したお願いとしさせていただいております。
一方で、現実的には、修繕費や消耗品費、毎日の溶解炉を建設するための費用など、間接的な費用も大きな値上がりをしています。
この先、更なる値上げが続けばこうした費用もお願いしなければならないときも来るかもしれませんが、現状では社内努力でどうにか対応できています。
ここが、昨日申し上げた全てをお客様にお願いするわけでなく自助努力で対応しているということです。
具体的には、先ずは人への投資です。
働き方改革はコンプライアンスの上をいって実現してきました。例えば、昨年の有給の消化率は8割レベルでした。今年度は85%レベルで現状の取得率は推移しています。産休は勿論、現在職場の最前線の男性係長が育児休暇に入っています。女性も活躍しており、設計、品質保証、営業、鋳物工場では通常男性が当然の職場で女性たちが課長・係長として活躍してくれています。二度と、生産目的の休日操業は致しません。30歳まで、希望者には会社が奨学金の返済を支援しています。また、複数の異なったコンサルタントの先生に入っていただき、職場ごとの課題を解決し、社員さんの自己実現の応援できる体制も作りました。
こうした、人の成長は生産性の向上をもたらし、またどのような設備を導入するのが良いのか、もしくはどのように改善をしていくことが良いのかを明確にしていきました。
そして、第2弾として、こうした改善を具現化するために10億円を超える設備投資も実施しました。
私たちの立てた計画は時代の課題を解決することでもあり、国や県の支援(補助金)を受けることも出来ました。
新しい設備の効果は絶大でした。
こうした取り組みの結果、生産性を10%以上改善することが出来ています。
昨年は、設備投資による減価償却費の上昇と赤字は1期までと決めた特別償却の実施で決算的には赤字化しました。
しかし、こうした生産性の向上、またお客様の理解もあり、2期連続の赤字からは脱却できる目途が立ってきました。
恐らく、現状の大変な時代はしばらく続くのでしょう。しかし、ものづくりは日本の宝です。
知恵を絞って、皆が次の時代が迎えられるように頑張っていきたいものです。
これまで、こうした取材は全て断ってきましたが、大変な時代の中で我々の取り組みが少しでも参考になって、社会のお役に立てるのならと引き受けることとしました。
ひょっとすると気分を害される方もおられるかもしれませんが、会社の使命は今日も明日も会社が存続し続けること。
特に5千種類を超える製品を生産し(年間3千種類程度、数年に一度生産される方も多く5年では5千種類程度)、その金型をお預かりすることの責任は非常に重いのだと自覚しています。
当社に万が一があった場合、分野によっては耐久試験は2年必要であったりします。少なくても3か月の試験は必要です。こうしたことを飛ばしていくことは、現状の日野自動車さんの事態を見ても、社会的に絶対に許されることではないからです。
2017年からの改革、何とか目途が立ってきました。お客様にも、社員さんにも安心いただける会社になってきたのではと考えます。それもご支援いただけたお客様、協力企業様、そして社員さんのおかげと心から感謝しております。
さて、来週も良い未来が皆さんに待っていますように。今週もありがとうございました。
社長 松原 史尚
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