7月12日(火)
大変な時代になったと思います。
当社のお付き合いするお客様、最終ユーザーさんはまず知らない人がいないであろう超有名企業様、もしくはそのティア1・2様です。
これまで、お客様の経営状態を心配するなど考えたことも無かったのですが、我が国日本というよりも世界的に大ピンチに陥っているのではないかと感じています。
政府(国)の強力なリーダーシップで、特に中小企業の原材料・燃料に対する値上げは即座に認めるようにとの行政指導がされています。違反社を告発できる仕組みまで出来ており(当社ではまだ告発事例はないものの)そうした摘発の行動に出られた同業さんをいくつも知っており、国からの指導により良い方向に改善していると聞きます。
しかし、買う側も本当に大変なのだと思います。最終販売価格を上げることは、非常に難しいことである以上、どうしてもその影響は部品メーカーに来ます。
多くの超有名企業は、最終製品も手掛けておられますが、実は部品メーカーでもあります。
自動車の一部分を造っているとか、建設機械、油圧機器、農業機械、空調機器等々の部品を造っておられる部門もあるのです。
その分野は、最終価格が上がらない以上、簡単に値上げは出来ないのでしょう。
しかし、こうして調達課価格はどんどん上がってくる。
当社は、鋳物工場であり、全ての産業の基礎となる仕事であり、そのお客様は100社を超え、その扱い部品数は4000を超えています。従って、当社で流れていく部品の発注量で、現状の良い業種、低迷している業種が解ります。
今は、明らかに中古、そして高級品だけが元気で他は全て低迷しています。
こうした背景から、調達コストは上がるのに、物量は増えない、2重苦が起きているのだと思います。
「お客様も大変なのだ」そう始めて思い知らされる今日、この頃です。
従って、我々も、そんなこんなで、簡単に値上げは進みません。
材料費すら、その値上げに時差が起きたりします。まして、電気代や燃料費、副資材量などは聞く耳すらないお客様も出てきます。「返事の先延ばし」「会議時間を制限し、時間いっぱいで現状のお客様の厳しい状況の説明がされ、こちらに与えられる時間は僅かで、会議になる前に時間が終了してしまい、結論が先延ばされる。」最もひどいのは「無視」。
当社は、専門性が高いので、最終的には全て認めていただきますが、お客様も本当に大変なのだと思います。
恐らく、普通にしていたら当社もこうした渦に巻き込まれていくのでしょう。
しかし、当社の社員たちは凄い。こんな時代の中だからこそ、次々にタイムリーな改善を進め、ギリギリで収支も創っていく。
政府が言われるように賃金を上げていかなければならないのですが、前述のような状況で人件費まで認めていただける事例は非常に稀有なことです。
しかし、困難だからと「やらない」では済まされない。当社では、既に昨年の段階で政府が進める数字の賃上げは実施、本年も定期的な昇給はしっかり進めてまいりました。
その財源は、自ら生み出す、素晴らしい社員たちです。
時代の潮流に沿って、かかった費用はしっかりお客様にお願いし、顕在化が難しくお客様のご理解を得ることが難しい全ての価格上昇は自らの改善で補っていく。
この素晴らしい社員たちが、その努力の通りに報われていくように全力で舵取りをしたいと考えています。
「今日も昨日までになかった大きな改善の知らせが一つ」
「日々ワクワクしています。」皆、本当にありがとう。
社長 松原 史尚
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