6月24日(金)
さて、どんな奇跡が起きたのか。
費用をかけたのですから、当然ホルムアルデヒドの排出量の約半減という目標は達成できました。
そして、鋳物工場なのに工場敷地内での悪臭ゼロも同時に達成できました。
これは以前にも紹介しましたが、当社に来られたお客様が最初に口にする一言です。
「鋳物工場独特の臭気がしませんね」
そう、この鋳物工場独特の臭気の正体、これが「アンモニア」であり、喉を突くような呼吸時の刺激、その正体が「ホルムアルデヒド」なのです。
それを全く感じない鋳物工場を実現できたこと、このことは近隣の皆様、お客様、社員さんには最高のことなのですが。
これは目指したことでした。
「奇跡」とは、想定外のことが起きること。
ガスの量を減らしたことで、鋳型内でのガス圧が減少し、溶湯(溶けた鉄)の鋳型の中での流動性が著しく向上しました。
その結果、これまで非常に不良率が高かった製品の良品率が著しく上昇しました。
こうした製品は、付加価値の非常に高い製品で、その良品率を上げることは大きな経営面での成果となりました。
また、これまで難しいとされた超薄肉鋳物もこの技術により実現する事となりました。
その結果「2017 Casting of the Year 日本鋳造大賞」の受賞を皮切りに、その年、その翌年の鋳造関係の技術賞を総なめするに至っています。
「利他」、それも自己犠牲を覚悟しての行動は天が味方する。
それが、当社の「人を大切にする」経営理念の根幹にある考え方です。
ホルムアルデヒドへの戦いはまだ終わっていません。
まだまだ排出量業界平均の50%レベルです。
「実質ゼロ」ここが目指すべきところです。
この実質ゼロが実現されるとき、鋳造工場で汗を流してくれている社員さんが帰宅する時、ユニフォームからアンモニア臭を感じることは無くなるでしょう。
工場敷地内は感じることが無くても50%減では、1日工場内で精勤していただくとどうしても臭気が付着してします。
「その臭気すらゼロにしたい」
現在、山形大学工学部との共同研究で、その実現に向けた取り組みを進めています。
いつの日か、その成果を発表できる日が来ることを確信しています。
何故なら、
「利他」、それも自己犠牲を覚悟しての行動は天が味方する。
何度も経験してきたことですから。
今日も1日良い日になりますように。
社長 松原 史尚
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