6月10日(金)
一般的な企業には稟議書が存在します。
稟議書とは、会社組織の中で、決済を得るための書類です。
人事であれ、購入であれ、既定の等の改定を含め、様々なことが稟議書で決済します
本日、NHKのニュースでは企業の物価指数は2020年度比で112%レベルという数字が紹介されていました。
その原因が、原油価格の高騰に加え、木材・鉄鋼などの原料の値上がりが大きいということでした。
まさしく、わが業界は直撃なのです。毎月、材料の購入稟議が回ってきて、決裁者である私が承認するのですが、その額が12%等という数字での上昇ではないのです。12%レベルは1月で上がってしまう月もあり、実質的には2020年度比でいえば、ほぼ倍=100%の値上げりと言えます。
恐ろしいことです、岐阜には500年近く続く鋳物屋さんがあります、その会長様は高校の大先輩でもあり、非常に可愛がっていただけるので、先日、戦後の狂乱物価時には、どのように値上げをお願いしたのかを聞いてみました。
先輩曰く「あの頃は、先ず材料が手に入るかどうかもわからない、また給金(賃金)をケチれば、明日には職人何人も揃ってやめてしまうなどということも普通にあった。だから、給金は毎月上げたし、材料は買える価格で購入して、製品を造って。全ての使った金額に少し利益として上乗せして、毎月お客様に請求した。お客様も理解していたから、鋳物を持ってきてくれるだけで有難いと、持っていいた請求書通り、毎月現金でくれた。」とのこと。
今も、同じような時代なのですが、お客様も、かなり理解をしていただけるようになってきましたが、値上がりしてるのは材料費だけでなく、ほぼすべての費用で、こうした直接でない費用までは値上げに含めていただけません。大変な時代となっています。
一方で、これほど高い購入価格ですから、何かの形で改善が進められれば、その効果額は非常に大きなものとなります。
「そうだ家計簿をつけよう」。これまで材料は月一度の棚卸と、その月の購入量でその月の使用金額を出していましたが、その金額がどれほどするのか、実際に使用している製造現場の人たちは一切知ることもなく、ただ安産第一で、生産性の向上と品質の向上を求めてきたのです。しかし、もしそのものの流れをお金の流れに置き換えたら、意識も変わるのではないか。そう考えました。
棚卸や、生産数値の把握のために、ほとんどの材料は計量された後に使用されているわけで、そこに単価を積算できる仕組みを造ればわけなく重量から、金額に見える数値を置き換えることは出来るわけです。
どんな変化が出るだろう、今からとても楽しみです。
その成果は、また報告しますね。
社長 松原史尚
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